世界各国で、食品接触材料(FCM)に含まれる非意図的添加物質(NIAS)に関する規制要件が強化されており、適合期限が迫っています。
EUでは、プラスチック規則の第19次改正(規則(EU) 2025/351)により、新たに「高純度」要件(第3a条)が導入されました。これにより、プラスチック製食品接触材料に使用される物質は、NIASを最小限に抑えることが求められ、個々のNIASの移行量は厳格な閾値(遺伝毒性が否定される場合は≤0.05 mg/kg、それ以外は≤0.00015 mg/kg)を満たす必要があります。本改正は2025年3月16日に発効し、2026年9月16日以降に市場に出荷されるすべてのプラスチック製食品接触材料に対して完全な適合が義務化されます。
中国では、GB 4806.1(食品接触材料及び製品の一般安全要求事項)の改定草案が公表され、NIASの安全性評価と管理について明確な要件が盛り込まれました。製造業者は、製品中のNIASを評価・管理し、移行量が人の健康を損なったり食品の品質に影響を及ぼしたりしないことを確保することが求められます。本改定は、現行のGB 4806.1-2016に取って代わるものと見込まれます。
こうした規制の変更に伴い、確かな分析能力が急務となっています。NIASは、原料中の不純物、製造工程での副生成物、分解生成物、反応中間体など多様な起源を持ち、化学的に多種多様で構造が未知であることが多く、その検出・同定は大きな課題です。適切なスクリーニングなしでは、これらの物質は見逃され、製品の適合リスクとなり得ます。